<ポイント8> 身辺自立のコツは、“ママと一緒に”


 服やくつの着脱、歯みがき、トイレ、食事など、だんだん自分でできるようになってほしいですね。こういった身辺自立は、発達が気になる子であっても、接し方を工夫していけば、ちゃんと身についていきます。あきらめずに、毎日毎日、あきるほど繰り返していると、ある日突然!というミラクルが起こることも珍しくありません。

 理解が遅れがちな子であっても、まずは、やり方をちゃんと説明してあげてください。言葉だけではなく、実物を示したり、やり方を見せたりと、目から入る情報も大切です。さらに、手を添えて動きを手伝ってあげるのもGOOD。一人でやらせようとあせるより、まずは「ママと一緒にやる」ということを目指した方が、子どもは安心です。
 一連の動きが長い場合は、最初の方だけ一緒にチャレンジして「じょうず!」とほめ、「仕上げは、おか~あさん」と言いながら、あとの動きはママがやってあげると、自信が育ちやすいかもしれません。逆に、一連の動きの最初のほうをやってあげ、最後の動きを子どもにやってもらうと、ゴールインの喜びが味わえるかもしれません。
 子どもが動きを覚えはじめても、ママがいきなり離れてしまうのではなく、ヒジを支えてあげるとか、背中に手を置いてあげるとか、どこかで体で接してあげていてください。そのほうが、ママからの安心感が伝わり、集中力が長持ちするはずです。

 子どもによっては、何かをやらせようとすると、逃げ出したり、暴れ出したり…という場合があります。これは、言われていることがわからないとか、挑戦したくないとかより、自信がなくて逃げ腰になっているだけなのです。そんなとき、親があきらめてしまうと、子どもはがっかりしてしまいます。それは、子どもの心の奥に、「本当は挑戦したい」という気持ちがあるからです。
 ですから、逃げる子、暴れる子も、しっかりつかまえてあげて、「自信がない!って暴れても、泣きながらでもいいから、チャレンジしようね」と、やるべきことに向きあわせてあげてください。イヤイヤでも、無理やりでもできるようになると、子どもは自信が出てきて、「ママ、ありがとう!」という気持ちになるのです。

こうしてみよう

 「人に助けてもらう」「教えてもらう」「一緒にやる」ということが嫌いで、逃げたり怒ったりする子もいます。そういう子は、要するに、「助けてもらわなくても、けっこうです!」という甘え下手な子なのです。でも、ここぞと言うときにも助けを求めない、受け入れないという子は、“自立”ではなく“孤立”に向かってしまいます。ですから、「一人でできる」ということ以上に、「ママと一緒にチャレンジする」ということを大切にしていくのが、身辺自立の支え方のコツです。
 反対に、まったく自分でやろうとせず、ママに丸投げしてしまう子もいます。こういう子も、「うまくいかなくて、途中で助けを求めるなんていやだ」という甘え下手さんなので、「ママと一緒にチャレンジする」という方針を大切にしていってください。

 


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