<ポイント9> 気になるクセや行動をどうする?


 子どものクセは一時的なものが多く、あまり注意しすぎないのが原則です。叱りすぎるとそれがストレスとなり、かえってひどくなることがあります。気にしないで大目に見ていると、自然になくなっていくことも多いのです。ところがなかには、気にしないではいられないほどのひどいクセや、長引くクセがあります。そういう場合は、どうすればよいのでしょうか?

 血がにじむほどの爪かみや、皮がむけてしまうほどの指しゃぶりといったひどいクセは、“まぎらわしの道具”である可能性が大です。泣きたい気持ちや甘えたい気持ちがあったとき、爪をかんだり、指をしゃぶったりすることによって、一人でガマンしているのです。
 ひまなときにも、クセが出ることがあります。ひまだったら、ママのところへ来てかまってもらえばいいのに、「甘えさせてもらわなくて、けっこうです」と、指しゃぶりなどでガマンしているのです。
 お気に入りのDVDを見ているときに、クセが出る子もいます。本当はママにかまってもらいたいのに、その気持ちをガマンしながらDVDを見ている可能性があります。

 まぎらわしのクセには、いろいろな種類があります。爪かみ、指しゃぶり以外にも、物なめ、歯ぎしり、服をかむ、性器をいじる…など。
 クセ以外にも、DVDを延々と見たがる、食べ続ける、すぐに服を脱ぐ、奇声をあげる、その場でクルクル回る、物を並べ続ける…といった行動、また、泣きそうになると体をかきむしったり、トイレに行ったり、ママのおっぱいをさわったりといった行動で、まぎらわそうとする場合もあります。さまざまな物やことに対する“こだわり”(特定の服やおもちゃ、タオル、道順、回転する物など)も、“まぎらわしの道具”であることが多いのです。

 こういったクセや行動は、厳しく叱ってやめさせたとしても、「泣かずにガマン」「甘えずにガマン」という傾向がそのままだと、またすぐに、新しいクセや行動が出現してしまいます。なので、まずは、「泣き(甘え)上手さんへの体質改善」が優先です。表現上手になっていくと、まぎらわしとしてのクセや行動も自然に減っていくはずです。

こうしてみよう

 「<ポイント3> 親子遊びを盛り上げる」で紹介した「愛のイジワル遊び」のように、たとえば、子どものしゃぶっている指をつかんで、「そんなにガマンしなくていいよ」と言いながら、ゆっくり引き抜いてみます。子どもがギャーッと怒ったら、「ごめんね~」とあやまって放します。こんなやりとりがだんだんじゃれあい遊びのようになれば、楽しめるかもしれません。ただしクセがなくなるのには、泣き(甘え)上手さんへの体質改善が必要です。
 ママが相手をできないときは、“まぎらわしの道具”によって、ガマンしていてもらうことも、しかたがない場面もあります。そんなときは、「ガマンしてくれているんだね。ありがとう」と声をかけてあげると、子どもはうれしいのです。

 


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