<ポイント6> かんしゃくを起こしたときは


 ささいなことが気に入らず、泣いたり、暴れたりが長引くと、親のほうもガマンの限界になってしまいます。こんなときは、どうすればよいでしょうか?
 かんしゃくを起こしやすい子は、ふだんの様子に特徴があります。それは、「平気なとき」と、「手がつけられなくなるとき」の差が激しいことです。これには意味があります。
 「平気なとき」は、ここぞ泣きどき、甘えどきという場面でも親に助けを求めず、そしらぬ顔でガマンしています。そして、いつのまにか、泣きたい気持ちや、ヤダヤダ言いたい気持ちをためこんでいきます。やがて、心のコップが満杯になると、最後はたった1滴であふれてしまいます。ほんのささいなことが最後の1滴となり、あふれた気持ちがかんしゃくとなって大暴れになるのです。

 ですから、いったんかんしゃくが始まったら、心の中にためこんだ気持ちが全部吐き出されるまでは、なかなか収まりません。どう言っても、何をしても、心に気持ちがたまっているうちは、落ちついてくれないのです。
 むしろ、無理に落ちつかせようとすると、気持ちの吐き出しにブレーキがかかり、かんしゃくが長引いてしまうことがあります。吐き出すだけ吐き出したら、あとは自然に落ちついてきますので、それまでは、“吐き出し作業”の邪魔をしないほうが得策です。

 一番大切なのは、「手がつけられなくなるとき」の対処法ではなく、「平気なとき」の接し方です。ふだんが泣き下手・甘え下手だと、結局は気持ちをためこんでいき、かんしゃくが出るのも時間の問題です。
 ここぞというときに、泣いたり、ヤダヤダ言ったり、甘えたりと、小出しで気持ちの表現ができ、心のガス抜きが上手になってくると、「ためて、ためて、ドカン!」という悪循環もなくなっていきます。

こうしてみよう 

 子どもがかんしゃくを起こしたら、
①無理にかんしゃくを止めようとしないで、気持ちを出しきるまで時間をあげる。
②暴れた勢いで、ケガをしたり、物が壊れたりしないように、まわりを片づける。
③出先や、人混みのなかなど、周囲に迷惑がかかる場所なら、子どもを抱えて安全な場所まで移動する。
という接し方を心がけてみてください。抱っこをすると、心のフタが開きやすくなり、あばれ泣きがひどくなるぶん、“吐き出し効率”も上がり、落ち着くのが早くなることがあります。ただし、叩かれたりかまれたりしないように注意してください。
 「泣かさないように」「ヤダヤダ言われないように」という、はれ物に触るような子育てでは、かえって気持ちのためこみを進行させてしまいます。「泣きたいとき、甘えたいときは、ガマンしなくていいんだよ」という、ふだんの接し方を試してみてください。

 


「なるほど」「参考になった」という方へ
いいね!・シェア、コメントお願いします。