<ポイント7> ヤダヤダへの対処は3段階方式で


 子どもが、「自分の気持ちを表現する」ということは大切です。でも、それだけが進んでいったとしたら、“わがまま人間”になってしまいます。もう一方の「人の気持ちを受けとめる」という面も成長していってこそ、両方向のコミュニケーションが可能になります。そういう意味で、「ママの言うことを聞く」という練習はとても大切です。

 子どもにして欲しいこと、して欲しくないことがあったときは、まずはていねいに説明したり、言い聞かせたりということが大切です。たとえ言葉の理解が遅れているように見える子であっても、真剣に話せば伝わるものです。言葉だけではなく、して欲しいことは手を添えて誘導してあげたり、して欲しくないことは手で止めてあげたりと、体を使いながら話すと、より伝わりやすくなります。
 それでもヤダ!となる場合は、「やっぱり通じない」とがっかりするかもしれません。でも、子どもの心の中では、「ちゃんと行動したい」気持ちと、「ヤダと言いたい」気持ち、正反対の2つの気持ちが戦っています。しかし子どもは、まだ“気持ちのコントロール力”が未熟なので、「ヤダと言いたい」気持ちが押さえられず、吹き出てくるのです。
 そんなときは、ママの要求は引っ込めないまま、しばらく親子バトルをしてあげてください。ヤダヤダという形で“心のガス抜き”をすると、だんだん抵抗が下火になってきます。「ヤダヤダ言いながらでいいから、がまんしようね」「泣きながら、がんばろうね」という接し方の方が、“気持ちのコントロール力”はついていきやすいのです。

 甘え上手・泣き上手の子の場合は、ヤダヤダタイムは2~3分、長くても5分ぐらいで収まっていくはずです。「泣いて→抱っこを求めて→甘えて→落ちつく」という経過をたどって、ちゃんとママの腕の中に着地してくれるからです。
 でも、甘え下手・泣き下手の子は、ママのところに着地することを避けようとします。そうなると、ヤダヤダタイムが延々と続いてしまうことになります。そういう子の場合は、この小冊子でご紹介している「甘え上手・泣き上手になる接し方」を少しずつ試していると、変化が出てくるはずです。

こうしてみよう

ヤダヤダへの「3段階方式の接し方」を試してみてください。
 ①やるべきことを子どもに伝える。(言葉で、体で)
 ②子どもからヤダヤダが出てきたら、親の要求は引っ込めず、親子バトル。子どもが気持ちを吐き出して、抵抗が弱くなるまで、少しつきあう。
③ベソをかきながら、グズグズしながらでいいから、するべき行動をしてもらう。


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