<ポイント4> 友だち関係の土台は、親子関係


 入園や入学などを考えたら、少しずつでも、友だちと遊べるようになってもらいたいものですね。そのためには、どんなポイントがあるでしょうか?

 まず知っておくとよいのは、「親子遊びの延長上に、友だちとの遊びがある」ということです。ママと遊びたくて接近してくる子は、やがて、友だちへも接近していくようになります。ママとの遊びが盛り上がる子は、やがて、友だちとのやりとりも楽しめるようになります。
 逆に、ママとの遊びを好まず、一人で遊んでばかりの子どもは、なかなか友だちにも近づいていけません。ママとの遊びを通してコミュニケーションの力が身についていかないと、友だちとのかかわりにも自信がもてないからです。
 ですから、そういう場合はまず、「“練習段階”としての親子遊び」を充実させていくほうが効果的です。友だちと遊ばせる場合も、ママ・子ども・友だちという3人で、「親子遊び+友だち遊び」のような形から入っていったほうが、無理がないかもしれません。

 友だちとの交流が始まると、おもちゃを取られたり、急に押されたりで、泣きながらママに助けを求めにくるような場面も出てきます。でも、友だち関係は、失敗を繰り返しながら身につけていくものですから、それでいいのです。「いざとなったら、ママに助けてもらえる」という安心感のなかで、子どもの自立は進んでいきます。
 心配なのは、困ったことがあっても、ママのところに助けを求めに来ないで、“無理な自力解決”へと暴走してしまうタイプの子どもです。友だちへの手出し・乱暴が止まらない子、友だちが近づいただけで奇声を上げる子、おもちゃの独占がひどすぎる子…。こういった行動は、「ママ、だいじょうぶ。ボクは一人で何とかするから!」という“無理な自力解決”のあらわれであることが多いのです。
 必要なときは、しっかり“依存”できる子のほうが、“自立”への足取りもしっかりしてきます。

こうしてみよう

 友だちへの乱暴、奇声など、「“無理な自力解決”をしようとしているみたい」と感じたら、ママの方から迎えにいってあげてください。そして、抱きとめながら、「困ったときは、“ママ助けて!”って来るんだよ」と教えてあげてください。言葉の理解が遅れているように思われる子であっても、意外にちゃんと伝わるものです。「ほっといて!」と暴れるかもしれませんが、1分ほど、抱っこでねばってみてください。こんな接し方が、“ママに助けを求める練習”になるのです。
 友だちを見るなり、公園の外へ逃げ出してしまうような子も、実は、自分だけで何とかしようとしているのです。ママが抱きとめ、「ドキドキしたときは、ママのところに逃げてくればいいんだよ」と教えてあげるとよいでしょう。

 


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