◆人生の決断

親に何かを買ってもらうときなど、子どもの頃の私は、なかなか決まりませんでした。うちの上の娘も、小さい頃は、私にそっくり。誕生日のプレゼントも、おもちゃ屋さんを何軒もハシゴして、それでも決まらず、「もう、いい加減にしろ!」という感じでした。

ところが、下の娘。私にとっては、信じられないぐらいの速さで、何でも決めてしまう。私にとっては、「脅威の存在」です。
たとえば、レストランに行った時など、私の場合、あれこれ迷って、なかなか決まらない。こういう時って、お店の人が注文を聞きに来ないかと、ヒヤヒヤです。やっと決めて、食事が運ばれてきたとき、必ず、隣の人が注文した物の方がおいしそうに見えて、「しまった!」と思ってしまう。
その点、下の娘は、一瞬のうちに決めてしまい、運ばれてきた物には、いつも大喜び。

そんな様子を何度も見るうちに、気がつきました!
「自分の選択は、間違えるに違いない」と思っている人って、どれを選択したとしても、「失敗だ!」と後悔するみたいですね。それにひきかえ、「私が間違えるわけない」と確信している人は、その結果をすべて「当たり」に変えてしまう魔力を持っているようです。

時々、「どちらの幼稚園にしようか迷っているんです」という相談を受けます。一方の園は、少人数でゆったりとした雰囲気が魅力だが、送り迎えが不便。他方の園は、大人数で落ち着かない感じだが、近くて便利。一長一短で、決めかねてしまう。
また、お子さんに遅れがあるけれどボーダーラインなので、普通学級にしようか、障害児学級にしようか、迷っている。そんな相談も受けます。

たくさん情報を集め、メリット・デメリットをよく吟味することは、もちろん大切。だけど、「どちらを選んでも、失敗するかもしれない」という気持ちのままで選択していると、かつての私のように、「当たり」を「はずれ」に変えてしまう魔力を発揮してしまうかもしれません。
じっくり比較検討して、なおかつ迷うようなら、「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・な」で選ぶのもいいでしょうね。あとは、「当たる!」という念力が、「当たり」を作り出していくのではないでしょうか。

私のこれまでの人生を振り返ると、重要な「選択」はいくつかありました。いちばん大きな選択は、小学校教師を辞めて、今の相談室を始めたことです。女房・子どもがありながら、公務員という安定した職を去ること、これは大きな決断でした。
その時、「私が間違えるわけない」という思いで選択したのです!・・・となればカッコイイのですが。かといって、「間違えるに違いない」と思いながら選択したわけでもありません。
それは、第3の決断のしかた。「それしか道は残っていなかった」という決断です。こういう決断(?)のしかたって、なかなかジャンプできない性格の人にめぐってくる「大宇宙の後押し」なのかなあって、つくづく思います。


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