友達にやられても、耐えているだけ(1歳10ヶ月)
公園などで、お友達に、押されたりたたかれたりしても、息子はやりかえさず、じっと耐えているだけです。泣きもしないし、私の方に来ることもありません。なんとか自力で乗り越えてほしいと思って見守っていると、相手はますますたたいてきます。「イヤって言うんだよ」と教えるのですが、同じことの繰り返しです。親として、どんなふうに関わっていけばよいのでしょうか。
なるほど、お母さんとしては「男の子なのだから、やり返すぐらいの勇気を持ってほしい」と思うのですね。お母さんが助けに入れば簡単ですが、なんとか1人でがんばってほしいので、じっと見守るようにしているのですね。
ただ、このような感じのお子さんの場合、「1人でがんばりすぎているから、なかなか勇気が出てこない」ということもありそうです。
小さい子どもたちの世界では、みんな、人とのつきあい方が未熟なので、とてもストレート。ちょっかいを出し合ったり、ベソをかいたり、そのうちまた仲良くなったり。お互い、そんな試行錯誤をしながら、人との関わり方を学んでいくのです。でも、ストレートなつきあいは、ある意味とてもハード。たたかれたり、おもちゃをとられたり…という緊急事態も起こります。
自分の力ではどうしようもなくて、心の中が不安や恐怖でいっぱいになってしまった時は、子どもが生まれながらに持っている「心の回復のメカニズム」が働き始めます。それは、「ママの所へ逃げてきて、不安や恐怖を泣いて発散する」という行動です。甘え上手な子どもは、お母さんの胸で大泣きし、心がスッキリしたら、またニコニコとお友達と遊び始めるのです。
ところが、「ママの助けは借りないゾ!ボク1人でがんばるもん!」と、無理にがんばろうとする子どもは、めいっぱいの不安や恐怖を抱え込んだままになってしまいます。すると、その場で固まってしまい、やられっぱなしになるしかないのです。
そんなタイプの子どもの場合、1人でがんばらせようとすると逆効果になってしまうのではないでしょうか。むしろ、「お友だちにたたかれたら、ママのところに逃げてきていいよ。エ~ン、エ~ンって泣いてもいいよ」と誘ってあげてください。「いざとなったらママに慰めてもらえるんだ」と思うと、かえって勇気が出やすくなるものですから。自力で「イヤ!」と言えるようになるのは、その次の段階ですね。
不安を1人でがまんしてしまうタイプの子どもは、不安と悔しさを、めいっぱい溜め込んだあげく、ドカン!という形でお友だちに怒りをぶつけることがあります。そんな形の「イヤ!」は、相手にケガをさせるような激しさになってしまったりするので、これもかえって困りもの。でも、「ママという安全基地」を活用するようになれば、ほどほどの「イヤ!」を表現できるようになってくるはずですよ。
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