●「アタッチメント」は、親子関係の基盤
「アタッチメント」は発達心理学の用語で、「愛着」とも呼ばれ、「乳幼児が安心感を得るために、親との間で作る心理的なきずな」です。
アタッチメントは親子のコミュニケーションの土台なので、アタッチメントが不安定だと、気になる様子が出てきたり、発達に支障が出てくるなど、さまざまな「育てにくさ」が表れます。
●「アタッチメントのゆれ」は、育て方のせいではない
アタッチメントは、食欲や睡眠欲と同じように、人間が生まれながらにもっている基本的欲求のひとつで、子育てのなかで自然に形成されていくものと考えられてきました。
アタッチメントにゆれが生じるのは、虐待など、親の育て方に問題がある場合に限られるとされてきたのです。ところが近年、親の育て方には大きな問題がないのに、アタッチメントの形成が進みにくいお子さんが増えています。
●「アタッチメントのゆれ」の原因は、緊張の強さや敏感さ
相談室では、「ふつうの子育てをしているにもかかわらず、アタッチメントのゆれをもつ子ども」をたくさん見てきました。そういったお子さんは、生まれながらの「緊張の強さ」があったり、「敏感さ」があったりします。
「育てにくい子」や「困った子」と見られがちですが、実はとてもやさしかったり、がんばり屋さんだったり、いい所がたくさんあるのです。