(3)「様子を見ましょう」という診断

 0才で、わが子の発達の遅れが心配になり、「ひょっとして、障害がある?」と相談に行ったとしても、「大丈夫ですよ」と言われるか、「様子を見ましょう」と言われることが多いようです。1才6ヶ月健診あたりでも、よほど顕著な傾向が出ていない限り、「少し気になりますが、もう少し様子を見ましょう」と言われ、「もっと話しかけてあげて」とか「お母さんと一緒にいる時間をたっぷり取ってあげて」といった一般的なアドバイスが返ってくるだけのケースも多いようです。
  親としては、何か宙ぶらりんのような気持ちになり、「早く、ハッキリさせて!」と言いたくなってしまいますね。でも、これにはワケがあるのです。
  第1の理由は、「多くの知的障害・発達障害は、早期診断がしにくい」ということです。 ダウン症など、ごく一部の障害などについては、血液検査等ですぐにはっきりとしたことが分かります。しかし、発達の遅れが気になる子どもの多くは、「実際に、どういった発達の経過をたどるか」ということを見ていかないと、判断がつかないのです。また、ADHD、LD、自閉症などの発達障害は、特徴的な行動パターンが出そろうのを待つ必要があります。
  もっとも、遅れがはっきりしてきたとしても、ほとんどの子どもは、「何らかの原因による(原因不明の)発達遅滞」という診断になります。つまり、「○○症(あるいは○○病)による発達遅滞」という原因が特定された形の診断を受けるのは、ごく稀なケースなのです。また、発達障害の場合、ボーダーラインのお子さんが多く、その場合、「自閉傾向はあるが、自閉症ではない」といった曖昧な診断だったり、判定者によって、「ADHDだ」「いや、LD傾向がある」「そうではなく、高機能自閉症だ」と、診断結果がまちまちになることも少なくありません。
  一方で、「心配な様子があったが、その後の経過を見ていったら、そのうち心配がなくなった」というケースも多いので、診断する立場の人としては、慎重にならざるをえないのです。
  第2の理由は、たとえ発達の遅れが懸念されたとしても、認知的な療育指導の開始は3才以降になることが多いので、さしあたり大切なことは、「家庭でのふだんの関わりの中で、親子関係を進めていく」ということだからです。
  そういう意味でも、このHPや本で紹介しているような「抱っこ法的な接し方」によって、親子関係を意識的に進めていく工夫は重要です。また、場合によっては、早めに「慰めの抱っこ」に取り組んでいくとよいでしょう。きっと接し方のコツが分かってくるはずです。


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