(1)まずは2ヵ月間、やってみよう

 これまで見てきたように、「言葉(コミュニケーション)」「お友だち関係(集団参加)」「身辺自立(しつけ)」「認識力」といった成長の重要な要素は、すべて親子関係が土台になっています。個々の能力よりも先に、親子関係という土台に注目していったほうが、育てやすくなってくるのです。
  本来、親子関係というものは、特に意識しなくても、「自然な子育て」の中で、いつのまにかに進んでいきます。しかし、不安や緊張を抱え込みやすい子どもの場合は、どうしても「意識的な働きかけ(子育て)」が必要となります。
   親子関係(特に、その中心となる「プラスの気持ちの表現」「マイナスの気持ちの表現(SOSサイクル)」)を、意識的に進めるための有効な手段として、お勧めしたいのが、抱っこ法(このサイトで提唱している「癒しの子育て・親育ち」の元になっている考え方)です。サイトや本では、抱っこ法について、「一般的な子育ての知恵の集大成」「よりよい親子関係を作っていく方法」という形で紹介しています。
   宣伝めいて恐縮ですが、特に本(『ちょっと気になる子の育て方』萩原光・著、学陽書房・刊)の方では、「プラスの気持ちの表現」の育て方、「マイナスの気持ちの表現(SOSサイクル)」の育て方、親子遊びのコツ、泣きやカンシャクとの付き合い方、お母さん自身の気持ち等について、実例をあげて具体的に解説しています(幼児の実例が中心ですが、赤ちゃん・小学生の場合も、接し方のコツはまったく同じです)。本屋さんで注文すれば手に入りますし、図書館の方でもけっこう置いてくれているようです。ぜひ参考にしてみて下さい。(→こちら
  抱っこ法の考え方にもとづき、ふだんの接し方に少し工夫を加えていくと、2ヵ月もすると、何かしら手ごたえが出てくるはずです。親子関係が進み始めると、


▲お母さんに甘えやすくなってくる。お母さんと一緒にいたがるようになる。(プラスの気持ちの表現)
▲かわいいベソをかきやすくなる。今まで平気だったような場面で、恐がるようになる。ここぞと言うときダダこねが出やすくなるが、一方で意味もないようなカンシャクが減っていき、カンシャクが出たとしても収まりやすくなる。(SOSサイクル)
▲表情の硬さが取れていき、表情に変化が出てくる。
▲多動傾向だった子どもに、落ち着きが出てくる。

・・・といった変化がまず表れてくるはずです(もちろん、子どもによって個人差はありますが)。このような変化は、小さい子特有の変化ではありません。小学生であっても、親子関係が良い方向に行き始めたときは、一時的に、「ベソをかきやすくなる」「甘えやすくなる」といった様子が表れるものです。
 ただ、「よおし、苦しくても、何が何でも2ヶ月間、がんばり続けるゾ~!」と、あまり肩に力を入れて取り組まないでくださいね。まあ、ぼちぼちと、「ぴっかりの言うことなんか、信じられないゾ。そんなにうまくいくワケないじゃないか!」「でも、だまされたつもりで、何となくやってみるか」ぐらいの感じでね。そのほうが、お子さんも緊張しないのでいいのです。
  それに、ガマンガマンで、お母さんの方が、自分のSOSサイクルにブレーキをかけっぱなしでがんばると、お子さんの方だって、ボクもがんばる!とブレーキをかけ、「ブレーキ競争」になってしまいます。ですから、一人ぼっちで取り組まず、お母さんのマイナス感情もまた、周囲の人にたくさん受けとめてもらいながらいってくださいね。
  あと、「1.親子関係と“育ち”」でご説明したことは、「不安材料」として読むのではなく、「良い方向に向かい始めたことの励み」として利用してください。ただし、2ヵ月で、ここに書いてある「気がかりな様子」が全て無くなるというわけではありません。あくまでも、変化の「始まり」なのです。そして、「始まり」は、たいてい、一見たいしたことがないような、何気ない出来事の中に、その兆候が現れるものです。


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