◆子育ての「三悪」?

「一人っ子。専業主婦。おまけに祖父母との同居。おたくは、子育ての三悪が揃っている!」 そんなふうに、中学校の先生に言われたと、あるお母さんが心配そうに話すのです。
ちょっと驚きました。「核家族化(祖父母と別居)が、密室育児を招き、子育てのつまずきの原因となっている」という説は聞いたことがあります。「母親が仕事をもっていると、愛情不足になり、子どもが荒れてくる」ということを言う人もいます。でも、その反対まで「子育てのつまずき」の原因にしてしまう人がいるとは!

お子さんは、不登校傾向があり、それでもなんとかガンバってやってきたのです。でも、何事につけ気にしてしまうお子さんは、まだ中1だというのに、学習の遅れや高校進学を心配しているのだそうです。
「私が、あんまり勉強についてうるさく言ってこなかったのが、かえって、いけなかったんでしょうかねえ。うるさく言っていたら、反発心が出て、『勉強なんて!』と思ってくれたかもしれない…」と、お母さんはおっしゃるのです。
お母さんの育て方のせいではなく、生まれつきの繊細な心ゆえ、いろいろなことを感じてしまうお子さんなのでしょう。だから、勉強のことが気になってしまうのでしょう。でも、お母さんがうるさく言ってこなかったから、何とかバランスを保っている。うるさく言ってきたとしたら、もっともっと気にしていたのでは?
そうお話しすると、お母さんの表情が少しゆるんできました。

専業主婦にせよ、兼業主婦にせよ。同居にせよ、別居にせよ。一人っ子にせよ、そうでないにせよ。うるさく言うにせよ、言わないにせよ。・・・・責める心で考え始めると、どんなことでも、「子育ての失敗の原因」になってしまいそうですね。逆に言うと、どんなことでも、「子育てがうまくいっている原因」にすることができるということなのでしょう。

「お母さん!あなたは間違っていないよ!」 肩をたたいて、そう言ってあげたくなる出来事でした。


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