(09)大人の癒しの3原則

「自分探し」や「自分自身の癒し」を考えていくとき、知っておいてほしい原則があります。

ひとつめは、「あなたの置かれている現実生活こそが、自分探しの現場である」ということ。人生の本題は、一見、無意味なように思われる毎日の生活の中にこそ、隠されているのです。
でも走り疲れたら、歩いていい。歩き疲れたら、休んでいいのです。やがて休み疲れたら、また現実に向かって歩きたくなるはずですから。

ふたつめは、「大人の癒しは、ゆるやかに進んでいく」ということ。「今の私を、一気に変えよう」と焦ると、一喜一憂の状態から抜け出せなくなります。そのためには、1ヶ月前の自分と、今の自分を比べるのではなく、1年前、2年前の自分と比べるといった長いスパンで見ていくとよいでしょう。
大人の場合、無意識レベルの準備が整わないうちに、精神的な枠組みに急激な変化が起こると、かえって心のバランスを崩してしまうことがあります。大人の癒しがゆっくりとしか進んでいかないのは、そういった事態を回避するために、無意識がちゃんとブレーキをかけてくれている証拠でもあるのです。

みっつめは、「自分に合った癒しの道筋・方法を、選択していく方がよい」ということ。今までお話ししてきた「チャイルドを抱きしめる」「大人も泣いていい」ということだって、人によっては、ハードすぎることがあります。
「自分が抱えている気持ちに目を向けてしまうと、かえって苦しくなる」「自分に泣くことを許してしまうと、くずれてしまいそうでコワイ」…というような場合は、「自分の気持ちに目を向けない」「泣かないで頑張る」といった選択もありえるのです。
自分自身と向き合う「無意識レベルの準備」が整うまで、“内なる小さい子ども”には、「もう少し、私にパワーが溜まるまで、待っていてね」と、お願いしてよいのです。


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