幼稚園から帰ったとたん、大暴れ(3歳)

2016.09.26

 お友だちの輪になかなか入っていけない子が、今年、幼稚園に入園。元気に登園し、幼稚園でもがんばっている様子で、ひと安心です。でも、困っているのは、帰宅後のこと。笑顔で帰ってくるのですが、ほんとうは大変だっただろうなと思い、「お疲れさん」と共感の言葉をかけた瞬間、豹変します。「ママのバカ!」と叫びながら、叩いたり、蹴ったりしてくるのです。1時間ぐらい、暴れています。園で何かあったのかと思い、先生に聞いてみても、特に変わりはなかったとのこと。いったい、息子の心の中でなにが起きているのでしょうか?

 園でのストレスを家で発散できるからこそ、次の日も頑張れるという子は、けっこう多いでしょう。発散上手な子は、「○○ちゃんに意地悪された」「ママも一緒に幼稚園に来て」などと、グチや泣き言を言ったりします。でも、「そうか、そうか」と聞いてげるうちに、いつの間にか機嫌が直っていくものです。
 グチや泣き言ではなく、“赤ちゃん返り”をする子もいます。「もう、幼稚園なのに!」なんて思わずに、ヨシヨシしてあげてください。園で背伸びして頑張ったぶん、家で“赤ちゃんする”ことによって、バランスを取ろうとしているのですから。
 ところが相談のお子さんは、ストレスを持って帰ってくるのに、平気なふりで心の中にしまいこんでしまうようです。そして、共感の言葉に怒り出すのは、優しい言葉に心のフタがゆるんで、泣きたい気持ちが出てきそうになるからでしょうね。ママを叩いたり蹴ったりするのも、大好きなママがそばにいるだけで、抱え込んでいる不安や緊張が出てきそうになるから、腹が立つのでしょう。
 「泣きたい気持ちを、素直にママに受け止めてもらえばいいのに…。なぜ? こういう感じのお子さんは、意外に“ママ思い”なのです。「幼稚園のことで、ママに心配をかけてはいけない」という気持ちが強いので、平気なふりで頑張ろうとするのです。
 ママを叩いたり蹴ったりするのは、泣きそうになって、パニックになってしまうから。でも本当は、そんなことをするつもりはないので、あとで自己嫌悪に陥り、その結果ますます甘えないぞ!という決意が固くなり、悪循環が進んでしまいます。
 ですから、叩く・蹴るといった“間違った自己表現”は、ママが毅然とした態度で、手で止めてあげてください。かえって大騒ぎ・大暴れになるかもしれませんが、落ち着くまで、組み伏せたままでいてあげたほうがいいのです。
 お子さんの気持ちと行動が暴走し始めたとき、それはお子さん自身でも止められない状態になっています。ですから、お母さんが体を張って止めてあげる必要があります。時間はかかっても、お子さんを助けるつもりで、しっかりと押さえてあげてください。そんな大勝負に何回かチャレンジしていくうちに、お子さんは少しずつ発散上手になっていくはずです。でも、つきあうママも大変ですから、誰かにグチを聞いてもらいながら無理のない範囲でチャレンジしてみてくださいね。


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