理由もなく、友だちに手を出す(1歳6ヶ月)

2016.09.21

 公園などで、突然、友だちを叩いたり、押したりします。おもちゃの取り合いなど、なにか小競り合いがあった末のことなら、まだわかるのですが、なんの理由もなく、突然向かっていくのです。最近は、公園に連れて行くのが怖くなってきました。どうすればいいのでしょうか?

 これぐらいの年齢の子どもだと、まだ、友だちとの遊び方も未熟なので、つい手を出してしまうこともあるでしょうね。でもご相談の例では、「つい」という範囲を超えてしまっているようです。これではママも頭が痛いことでしょう。
 ただ、一見「理由がない」と思われるような困った行動の裏にも、その子なりの切実な気持ちが隠れているもの。このお子さんの場合、どんな気持ちがあるのでしょうか。
 「友だちにちょっかいを出して困る」というタイプの子どもは、ふつうに考えると、やんちゃな子ども・気の強い子どもと思われます。でも、最近増えているのは、まったく逆の、もともとは神経質で臆病な子ども、どちらかというと甘えベタな子どもです。
 人とのつきあい方がまだ未熟なこの年齢では、友だちに近づくというのは、とても緊張すること。臆病な子どもは、ママに不安を訴えることで、少しずつ安心感が育っていきます。ところが、本当は人一倍緊張するくせに、「だいじょうぶ!ママの助けは借りないもん!」と、無理に一人で頑張ろうとする子どもは、特攻隊のように友だちのところへ突っ込んでいきます。そして、「やっつけられる前に、やっつけちゃえ」という感じの行動に出てしまったりするのです。
 そういう子どもの場合、言葉で言っただけではなかなか止まらないので、ママが体で止めてあげる必要があります。そうすると、かんしゃくを起こしたり、泣き叫んだりしますが、それはママのところで不安を発散している過程。ですから、手を持ったまま、落ち着くまでつきあってあげるとよいでしょう。
 こういうつきあい方をしていると、ベソかきやダダこねが多くなったり、ママに甘えることが増えてきたりするはずです。でもそれは、ママに付き合ってもらって不安を発散している行為ですから、お子さんの気持ちは落ち着く方向に向かうことでしょう。それと同時に、友だちに手を出すこともぐんと減ってくるはずです。
 また、こういう対応をしていると、今まで平気だったのに友だちと遊ぶのを嫌がり、ママと遊びたがるようになることもあります。でもそれは、無理をしなくなり、「まずママとの遊びの中で、人とのつきあい方を再学習していこう」という気持ちが出てきた証拠。安心してつきあってあげて下さいね。


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