赤ちゃん出産後、長男の様子が変(5歳)

2016.09.09

 下の子が生まれてから、上の子が情緒不安定になってきました。急に怒り出したり、叩いてきたり。かといえば、急に泣き出して、部屋を飛び出したり…。保育園に行くのも嫌がって、暴れるようになりました。なるべく受け止めてあげようと努力はしていますが、「ママなんか、いなくなっちゃえ!」などと言われると、さすがに心が折れます。どう接したらいいのでしょうか?

 下に兄弟ができるということは、小さい子どもにとっては、重大事件です。「赤ちゃん、かわいいな」という気持ちはあったとしても、やはりライバルの出現は、大きなショック。「ママをとられてしまう」という不安は相当なものです。
 そういった不安を解消するための最大のアイテムは、“赤ちゃん返り”や“ダダこね”。子どもは、不安や心の痛手を解消し、事態を乗り越えていくために、こういった行動をとるのです。それはいわば、成長に必要な行動と言えるでしょう。
 それでは、相談のお子さんの行動は、「受け止めてあげるしかない」のでしょうか?そんなことはありません。実はお子さんの行動は、“赤ちゃん返り”や“ダダこね”ではなく、それをがまんしている行動だと考えられるからです。
 ママと赤ちゃんは家にいて、自分だけ保育所へ行かなくてはならないのは、寂しいことでしょう。でも、「ママと一緒でないと、寂しい」とか、「赤ちゃんは、ママと一緒でずるい」といったような表現はしないのではないでしょうか?
 「寂しい、寂しい」「ママと一緒がいい」と、ママにすがって泣くのなら、それはストレートな表現ですね。でも、ストレートなホンネの表現ができず、平気な振りをして無理に頑張ろうとすると、怒りの爆発のような状態になってしまい、かえって収拾がつかなくなってしまうのです。
 「ママなんか、いなくなっちゃえ!」という言葉は、悲しいですね。でも、こういった言葉も、ホンネをストレートに表現できない子どもによく見られることです。「ママはボクこと、嫌いになったの?」「赤ちゃんの方がいいんでしょ!」と、正直に自分の気持ちを表現できるようになると、こういった極端な言葉は減ってくるはずです。
 基本的な接し方のコツは、変な行動を受け止めようとするのではなく、その裏にあるホンネの寂しさのほうを見抜いてあげるようにすることですね。「寂しいよね」と、ホンネの気持ちを代弁するような声かけをしてあげるのもいいでしょう。
 あまりにもすねたような言動については、叱ることも必要でしょう。そのかわり、甘え泣きやホンネのグチや出てきたら、しっかりと受け止めてあげてください。ストレートな“赤ちゃん返り”や“ダダこね”ができるようになったら、だんだん行動は落ち着いてくるはずですよ。


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